筋肉のコリ・シコリ(トリガーポイント)の正体と、プロのほぐし方
筋肉のコリ・シコリ(トリガーポイント)の正体と、プロのほぐし方
「肩や腰が痛くて、そこを揉むと固いゴリゴリしたものがある…」 そんな経験はありませんか?
この固まりは、専門用語で「トリガーポイント」と呼ばれます。直訳すると「痛みの引き金(トリガー)になる場所(ポイント)」のこと。いわば、痛みの親玉のようなシコリです。
今回は、この「痛みの親玉」が一体どうなっているのか、そしてどうやってほぐしていくのかを、なるべくわかりやすく解説します!
目次
1. 痛みのシコリ(トリガーポイント)ってどんな感じ?
痛みの親玉であるシコリを指で触ると、「ちょっとヌルヌル・モチモチしたグミ」のような独特の感触があります。
例えば、グミキャンディーに油を塗って、ラップでくるんで何度も指でこすっていると、表面が少しヌルヌルして弾力が出てきますよね。トリガーポイントの触り心地は、まさにアレにそっくりなのです。
なぜヌルヌル・モチモチしているの?
実は、痛んでいる筋肉の周りには「水」がたくさん溜まっているからです。 筋肉が傷ついたり疲れたりすると、そこに水分のクッションが集まって腫れてしまいます。専門的には「浮腫(むくみ)」と言いますが、要するに「筋肉が水っぽくなってヌルヌル・モチモチしている状態=痛みのもと」というわけです。
2. 押した場所と違うところが痛む?「関連痛」の不思議
トリガーポイントの面白い(そして厄介な)特徴が「関連痛(かんれんつう)」です。
たとえば、こんな経験はありませんか?
- 首や脇の下をグッと押されたのに、なぜか足の裏や目の奥がズーンと痛む
- こめかみを押すと、なぜかあごまで響く
押している場所そのものが痛む(押し痛み)だけでなく、離れた別の場所まで痛みが飛んでいく現象、これが「関連痛」です。
プロの治療家は、この「響く場所」をヒントにして、「あ、痛みの本当の原因はここだ!」と見つけ出していきます。指や鍼(はり)がピッタリ当たった瞬間、患者さんは思わず「あ!そこそこ!」と声が出ます。じっくり考えてから「うーん、そこかな…?」となる場所は、たいていハズレです。
3. 体は正直!ほぐれたときに出てくる「サイン」
しっかりとトリガーポイントにアプローチできると、体には面白い変化(サイン)が現れます。
① 急に唾液(ツバ)が出てくる
シコリに鍼がピッタリ当たったり、正しく押されたりすると、お口の中にサラサラしたツバがジュワッと溢れてきます。 これは、体が痛みの緊張状態(交感神経モード)から、フッとリラックスした状態(副交感神経モード)に切り替わった証拠です。
② 痛いのに、なぜか猛烈に眠くなる
治療を受けている最中、「ズーン」と痛重い感覚があるのに、なぜかそのままぐっすり眠ってしまう人がたくさんいます。これも体が急激にリラックスモードへ入るためで、決して怖いことではありません。
4. 治療のあとにだるくなる?「リバウンド(副作用)」について
とても効果的な治療ですが、施術のあとに「なんだか体が重い」「痛みの場所が変わった気がする」と感じることがあります。
これは薬の「副作用」や「揉み返し」のようなもの。 ガチガチに固まっていた筋肉が急激にほぐれる過程で起こる一刊的な反応です。プロの治療家は、鍼を刺したあとに10〜15分ほどじっくり置いて筋肉を完全に緩めたり、刺激の強さを調整したりして、このリバウンドを上手にコントロールします。
5. プロはどうやって痛みをほぐすの?【部位別のヒント】
体はいろいろな筋肉がチームワークで動いています。痛む場所だけに原因があるとは限りません。
- 肩こり・頭痛 肩の表面だけでなく、首の骨のすぐそばにある「深い筋肉(半棘筋など)」にシコリができていることが多いです。ここを優しく、かつ正確にほぐすと、重かった目の奥や頭がスッキリ軽くなります。
- テニス肘・ゴルフ肘(肘の痛み) 肘が痛いからといって、肘だけを揉んでも治らないことがあります。実は胸の筋肉(大胸筋など)や背中の筋肉にシコリがあり、そこから肘へ痛みが飛んでいるケースも多いのです。
- ギックリ腰・坐骨神経痛(腰から足の痛み) 腰そのものよりも、お尻の横の筋肉(中殿筋)やお腹の奥の筋肉(腰方形筋)がカチコチに縮んでいることが原因の大半です。
6. おうちでできる「ストレッチ」で再発を防ごう!
痛みの親玉(トリガーポイント)を一度ほぐしても、普段の姿勢が悪いと筋肉が「縮んだ状態」を覚えてしまい、またシコリが復活してしまいます。
手軽にできる予防ストレッチを2つご紹介します!
【腰の屈曲(丸める)ストレッチ】
- 仰向けに寝て、両膝を曲げます。
- 両手で膝を抱え込み、胸にギューッと引き寄せます。
- 2〜3秒キープしたら、ゆっくり戻します。これを10回繰り返します。
【腰の伸展(反らす)ストレッチ】
- うつ伏せになり、両手を肩のすぐ横につきます。
- 腕立て伏せの要領で、上半身をゆっくり起こします(お腹とお尻の力は抜き、腰を心地よく反らします)。
- 肘を伸ばしきったところで2〜3秒静止し、ゆっくり戻します。これを10回繰り返します。
どちらも1分程度で終わる簡単なものです。1日2〜3回行うだけで、筋肉が縮みっぱなしになるのを防ぎ、ツラい痛みの再発をしっかりガードできますよ!
まとめ
体の痛みやシコリは、「筋肉が疲れて水っぽくなり、カチコチに縮んでいるよ!」という体からのSOS信号です。
プロの手で痛みの「引き金(トリガーポイント)」を正しく見つけてほぐし、普段から軽めのストレッチを意識することで、驚くほど体が軽くなります。ツラい痛みを我慢せず、自分の体をいたわってあげましょう!